トルマリン

トルマリンは色の豊富さが最大の魅力です!

トルマリンは電気石と呼ばれ、熱や圧力を加えると電気を帯びる性質を持っています。

……なんてことは、宝石を愛好する人間にとって、正直あまり重要ではないと思います。また、トルマリンは化学組成の変化により性質が変化し、ドラバイト、エルバイトなどに分類され……などということもそれほど重要ではありません。

それよりも何よりも重要なのは、トルマリンは色のバリエーションが豊富だということです。

それも、鮮やかな色が多い! 同じようにカラーバリエーションが豊富な宝石にサファイアやスピネル、ベリル、ガーネットなどがありますが、色の豊富さでは、あらゆる宝石の中でもトルマリンが一番といって良いんじゃないでしょうか。

しかも割とリーズナブルで、「小さくても良いから色が綺麗なのを選ぼう」と思えば、数千円とかでも、かなり良い石が手に入ります。サファイアなどに比べ大粒も手に入りやすいです。

傷や内包物は比較的多い鉱物ではありますが、まるで自ら発光しているかのように輝くものもあり、サファイアにも劣らないくらい魅力的です。

トルマリンは色名で呼び分けられます

トルマリンは、宝石としては通常、色名で呼び分けられます。ピンクトルマリン、オレンジトルマリン、パープルトルマリン、インディゴライトブルートルマリン、グリーントルマリン、ミントトルマリン、ライムトルマリン、カナリートルマリン……といった具合です。

赤いトルマリンはルベライトと呼ばれますが、これも名前の由来は色で、「赤い」という意味のラテン語「ルベルス」から来ています。

また、1つの石に二色以上の色が入ったものもあります。二色のものはバイカラートルマリン、三色以上のものはパーティーカラード・トルマリンと呼ばれます。バイカラートルマリンの中でも、赤と緑に分かれたものはウォーターメロントルマリンと呼ばれます。ウォーターメロンっていうのは、スイカのことです。

色名以外の名前が冠せられたものもあります。代表的なのはパライバトルマリン。これは発見された産地が名前の由来となっています。ブラジルのパライバ州というところで見つかったんです。他にも色の要因となる成分が冠せられたクロムトルマリンも知られています。

トルマリンの評価基準

ここまでほとんど色のことしか語っていませんが、トルマリンの評価をするときの一番のポイントは、やはり色です。まず最初に、単純に色自体が評価され、ルベライト、ピンクトルマリン、インディゴライトブルートルマリン、カナリートルマリン、パライバトルマリン、ウォーターメロントルマリンあたりは高く評価されます。

中でも別格なのはパライバトルマリンです。これは綺麗な海を思わせる水色から、グリーン味を感じない鮮やかな青の色合いで、ネオンのような強い発色のもの。元々こういう色合いと発色を併せ持つ宝石自体が少ないですし、産出量もごく僅かということで、発見されてからまだ30年足らずですが、ものすごい人気で、お値段もビックリするくらい高いです。

で、次に見るのは、その色の中でもどのくらい鮮やかで色が濃いかという点です。

そして石の中の様子を見ます。ルーペで見てインクルージョンが少なく、曇りの少ない透き通ったものを選びましょう。ただしトルマリンは傷や内包物が多く曇りのあるものが多いので、迷ったら少々の内包物は我慢して、色を重視するのが正解です。

トルマリンは比較的身近な宝石で、普段着に身に着けることが多いので、あまり神経質にならずパッと見が綺麗だったりかわいかったりしたらOKくらいに思っておいて良いんじゃないでしょうか(ルースを集めるという観点からすると、内包物にも気をつけたいですが)

また、僕の個人的な印象ですが、トルマリンは輝きがキラキラと、とめどなくあふれ出してくるというよりは、ベタッとした輝きのように感じます。細かく揺らして光を当ててキラキラ輝かせるというよりは、色そのものを見せるというか。なのでジュエリーを選ぶ際にも、石の色がしっかりと映えるデザインかどうかを重視すべきじゃないかと思います。

トルマリンのスペック

英名:Tourmaline
和名:電気石
成分:AB3C6[X3Y|(BO3)3|Si6O18](ABCXYの部分に入るイオンの種類により種が変わる)
色:紫、青、緑、黄、褐色、ピンク、赤、黒、無色など
透明度:透明~半透明
結晶系:六方晶系(三方晶系)
モース硬度:7~7.5
比重:3.06
屈折率:1.62~1.64
複屈折率:0.020
多色性:強い二色性
偏光性:あり

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