よく占いに使われる石。
そんな印象かもしれません。それとも「時計に使われているやつだ」と思われた方もいらっしゃるかも。
水晶は、クォーツという鉱物の中で、無色透明のものをいいます。
色や模様が違うと名前が変わります
これが紫色になるとアメシスト(アメジスト)と呼ばれます。黄色やオレンジ色になるとシトリンと呼ばれ、灰色がかった茶色だとスモーキークォーツ、黒いのはモリオンと呼ばれます。
また、クォーツが水に溶け込んだものをシリカと呼び、それがゼリーのようになって固まるとカルセドニー、シリカが沈殿する際に縞模様になったものをアゲート(めのう)と呼びます。
こんがらがってきますね。
でもこれだけじゃありません。水晶とアメシストが一緒になったものもありますし、結晶の形によって特別感が出たりします。
さらにバリエーションは果てしなく
水晶というかクォーツは、二酸化ケイ素が結晶化したものです。
酸素もケイ素も地球上に多く存在するため、世界中の様々な場所で産出します。そのため比較的安く買えます。
でも大粒で綺麗なもの、となると高いです。それこそ占いで使うような大きな水晶玉になると、傷や内包物のないものは滅多に採れませんのでウン百万円なんてものもあります。ググったら2007年の国際宝飾展に直径28cm、重量29kgの水晶玉が約5億円で出品されてたとか。
それでも他の宝石に比べると、かなり安価で手に入ります。同じサイズ、同等のクオリティのダイヤモンドがもしあったとしたら、5億円どころでは済みません。まだ直径30cm近いダイヤモンドが発見されたことはないはずなので、いくらの値段がつくか想像もつきません。
ちょっと脱線しちゃいましたが、そのくらい水晶というのは入手しやすい宝石です。
また、様々な場所で多く産出するということはバリエーションが豊富ということです。例えばブラジル産の水晶は、大きくてどっしりしているとか、中国の四川省で採れる水晶は細長い結晶が密集しているなど、産地によって傾向があります。他にも成長が一回止まって表面に不純物が付着して、また成長したために結晶の中に結晶が見えるものとか、大きな結晶の先に小さな結晶がくっついているものとか、中に水が入っていて、振るとピチャピチャ音がするものとか、色んなものが手に入ります。
だから鉱物や宝石の基礎として、初心者の方が集めたり勉強したりするのに最適です。逆にそれだけ奥が深いため、玄人の方にも好まれます。天然石好きは水晶からスタートして他の石にも興味を持ち、色々集めてみた結果、最終的に水晶に行き着くといわれたりします(ちなみに宝石好きが最終的に行き着くのはダイヤモンドといわれています)。
初心者から上級者まで幅広く楽しめ、幅広く天然石を愛好する人たちの間では一、二を争う人気のストーンです。
水晶の評価基準
水晶の品質を評価する基準は、どれだけ無色で、どれだけ透明かっていう点に尽きます。
無色というのは色がついていないこと。白く濁っていたり、黄色っぽかったりすると評価が下がります。透明っていうのは、どれだけ透き通っているか。突き抜けるような透明感がなく曇っていたりすると評価が下がります。また、傷や不純物(内包物)が少ないものほど高く評価されます。
ただし例外があります。それも、例外って言って良いのかどうかためらうほど、たくさんの例外があります。
たとえば結晶の半分は無色透明だけど、もう半分は紫色のものとか。あるいはルチルっていう針状の鉱物が綺麗に入っていて、なおかつその色が金色のもの。また、中に傷があるんだけどその傷が光を屈折させて虹色に輝くもの。それに、さっき書きましたが中に水が入っていて振るとピチャピチャ音がするものとか、水ではなく石油が入っていて、ブラックライト(紫外線)を照射すると蛍光してピンクなどに光るものとか。そういった魅力があるものは、無色透明じゃなくても高く評価されます。
まー、本来は無色透明が良いんだけど、無色透明じゃなくてもその特徴が魅力のあるものだったら、個性が認められるっていうことですね。
じゃあどんな特徴があったら高く評価されて、どんな特徴なら評価が下がってしまうのか、って話になるんですけど、それについては一回で説明することが不可能なので、またそのうちご紹介します。
水晶のスペック
英名:Rock Crystal
和名:水晶
成分:二酸化ケイ素
色:無色
透明度:透明
結晶系:六方晶系(三方晶系)
モース硬度:7
比重:2.65
屈折率:1.544~1.553
複屈折率:0.009
多色性:なし
偏向性:あり
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